なぜProcessingで学ぶのか？ ~ Processingの特徴について ~

Processingとは？

世の中には多種多様なプログラミング言語があり、それぞれの言語によって得意なこと、使えるライブラリなど様々です。作りたいものや仕事で必要な言語がわかっている方は、その言語からスタートするのが良いと思いますが、本シリーズ「非エンジニアのためのプログラミング基礎」ではProcessingを使用します。まだ何を作りたい、どう仕事にプログラミングを活かすかを模索中の方や他の言語で挫折を経験された方はぜひ一度Processingを学んでみていただければと思います。

Processingは2001年にキャセイ・レアスとベンジャミン・フライによって開発されたプログラミング言語です。画像・アニメーション・音声の取り扱いも容易なので、DIYで物作りするような感覚で色々な作品作りに使いやすい言語です。この非エンジニアのためのプログラミング基礎でProcessingを取り上げる理由をもう少し説明していきます。

Processingの特徴①環境構築が簡単

まずProcessingは導入が非常に簡単です。公式サイトからファイルをダウンロードするだけでほぼ導入が完了します。統合開発環境があるので、他にエディタなど用意する必要もなく、Processingだけでコードを書き実行まですることができるので、環境設定でつまづくことなくプログラミングの学習に集中することができます。

Processingの特徴②無料である

Processingは無料で利用できるので、非エンジニアの人にとって、学習に金銭的なコストをかけずにできることは大きなメリットだと思います。

Processingの特徴③オブジェクト指向である

Processingは無料であり、手軽に始められる言語ですが、汎用性は高く、オブジェクト指向やインクリメンタル開発の手法といったプログラミングの基本的な考え方を身につけることができます。※オブジェクト指向やインクリメンタル開発については今後の記事で解説をしていきます。

Processingの特徴④ビジュアルで結果を確認できる

よくあるプログラミングの学習では最初にブラウザでHello worldを出力し、その後もテキストベースの出力結果で学んでいくものが多いです。一方Processingは図形の描画などが得意なので、結果をビジュアルで確認しながら学習を進めることができます。Processingはその特性を活かして、アートやデザインの分野でProcessingは活用されています。

Processingの特徴⑤活発なコミュニティがある

プログラミングを学ぶ上では、自分ひとりだけでなく、一緒に学ぶ人や、質問ができる環境、人のコードが見れるようなコミュニティがあると大きな助けになります。Processingでは『https://processing.org/』の中で、他の人の作品・コードを見ることができますし、質問をしたり、他の人の質問と回答を見たりすることもできます。※日本語で質問したい場合はteratailのようなエンジニア向けの質問サイトで検索・質問するのもお勧めです

まとめ

非エンジニアの人にとってプログラミングの学習は、難しく辛いものになりがちなので、環境構築が簡単、ビジュアルで結果が確認できる、無料である、コミュニティがあるといった特徴を持ちながらも汎用性の高い基礎を身につけられるProcessingから始めるのがお勧めです。

注意①必要なものを学ぶ

仕事でWeb系の言語が必要など、既に具体的な用途が決まっている人は、その言語から学ぶのをお勧めします。必要性がある方が学びは深くなると考えるからです。同様にProcessingを学ぶ場合でも、ゲームやアート作品、IoTデバイスなど自分で何か作ってみたいもののために必要な知識を集める、という姿勢で学ぶことをお勧めします。プログラミングを学ぶ目的については「なぜ非エンジニアでもプログラミングを学ぶのか」を参考にしてみてください。

注意②一つに集中する

初学者の人は「どの言語を学ぶか」を心配するより、まずはProcessingに（そのほかの言語でも）集中して学ぶことがお勧めです。一つの言語で基本的なプログラミングスキルを身につければ、他の言語にも共通する部分が多々あるので、もし他の言語を学ぶ必要が生じても最初の言語よりもスムーズに学ぶことができるはずだからです。