目次
Point – 事実と意見の区別が重要 –
この「ビジネススキル」シリーズでは多くの人にとって役にたつ基本のビジネススキルについて解説をしていきたいと思います。#11は「事実と意見を区別する」です。
この記事では「事実と意見を区別して、正確に話す・書く方法」について解説していきたいと思います。
相手や自分が話している・書いていることは「事実を行っているのか?意見を言っているのか?」をきちんと分けて考えることは非常に重要です。このスキルは建設的な議論をする上でのベースとなります。
Reason – 三角ロジックを使いこなすため –
事実と意見の区別の重要性は議論をする際の三角ロジックの考え方を知ると非常にわかりやすいです。理科系の論文などでは常に三角ロジックは意識されていると思います。
三角ロジックとは意見を述べる(論述する)ときのフレームワークワークで、3つの要素からなります。
- 意見:言いたいこと、相対的。
- データ:事実、証拠を挙げられる。
- 背景:データが意見をサポートする理由、一般的な定説、論理的な帰結など。
意見を述べるときは、原則この3要素が揃っている必要があります。(相手との共通認識によって背景(ワラント)は省略されることはあるが、いざとなれば説明できることが重要)
また、相手の意見を覆すときは、意見そのものを攻撃するのではなく、データの不備やデータと意見の関係性の甘さを指摘することになります。
こういった作法を守らずに言いたことだけを言い、相手の意見を頭から批判するような会話をしてしますと建設的な議論は難しくなります。
Example – 事実と意見の定義と記述 –
では具体例を見ながら事実と意見の違いや記述の方法について詳しく見ていきます。
定義の確認 – 事実か意見か-
まずは事実と意見の定義から始めたいと思います。
早速ですが、以下の2つ文章はそれぞれ事実でしょうか?意見でしょうか?
1) ジョージ・ワシントンは米国の最も偉大な大統領だった。
2) ジョージ・ワシントンは米国の初代大統領だった。
また、そう思う理由を説明できますか?
※説明する際は、
この文章だけでなく、
他の文章も事実か意見かを判定できるような
一般的な基準を作ることができるか考えてみてください。
それが事実と意見の定義につながるはずです。
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それでは事実と意見の定義です。
【証拠をあげて裏付けすることのできるものである】
【何事かについてある人が下す判断である】
※ほかの人はその判断に同意するかもしれないし,同意しないかもしれない
木下是雄. 理科系の作文技術(リフロー版) No.1354-1356
https://www.amazon.co.jp/%E7%90%86%E7%A7%91%E7%B3%BB%E3%81%AE%E4%BD%9C%E6%96%87%E6%8A%80%E8%A1%93-%E4%B8%AD%E5%85%AC%E6%96%B0%E6%9B%B8-624-%E6%9C%A8%E4%B8%8B-%E6%98%AF%E9%9B%84/dp/4121006240
記述 -事実・意見の書き方-
では自分が話す・書くときの注意点をまとめたいと思います。
まず、話の構成は三角ロジック(#9で解説した樹形図の中でのピラミッドストラクチャーなど参照)で意見・データ・背景を考えて構成します。
その上で、「事実」を書く(話す)ときの注意点は以下になります。
- その事実は今回話す、書く必要があるのか十分に吟味する。
- 書くときは主語・動詞をできるだけ書き、修飾語はできるだけ省く。
- ぼかした表現を使わず、キッパリと書く。
「意見」の部分を書く(話す)ときの注意点
- 原則「私は・・・と思う、考える。」のように頭と足をつける
- 修飾表現に意見の意味が含まれており、誤解が起きないと確信できる場合のみ、頭と足を省略しても良い。
Re-Point – まとめ –
最後に今回の記事の内容をまとめて終わります。
事実と意見は区別して書く・話すことが重要
書き方・話し方の手順
・三角ロジックを意識して「意見・事実・背景」を構成する
・事実は必要十分なものだけを修飾語をできるだけ使わずきっぱりかく
・意見は原則「私は~と思う」など頭と足をつけてかく