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「本質」というのは具体的にどうやって追求すればいいのか?

Point – 本質を追求する鍵は「なぜ」 –

この「ビジネススキル」シリーズでは多くの人にとって役にたつ基本のビジネススキルについて解説をしていきたいと思います。#12は「「なぜ」を使いこなして本質を追求する」です。

この記事では「ビジネスにおいて本質を追求するための思考法」について解説していきたいと思います。                     

ポイントは「なぜ」という疑問詞の使い方です。

Reason – 思考のフレームワークを学ぶ理由 –

今回の「なぜ」の思考を使いこなす理由は、漠然と考えるよりもフレームワークのサポートを受けつつ、自分で考える方がより本質に迫れる確率が高くなるからです。

ロジックツリーなどのフレームワークは、「誰でも同じ答えに辿り着いてしまうので、現代の共感や世界観を求められる現場では役に立たない」という人もいるかもしれません(実際は切り口にセンスが要求されるので、同じにはならないことも多い)。しかし、アートな部分や論理を超えた感覚を使うのは、ある程度の方向性や狙うポイントを論理で絞り込んでいる場合がほとんどです。

この記事では「なぜ」を使った思考のフレームワークについて解説し、本質に迫る方法論を身につけられることを目指します。

MEMO:今の時代はアートが大事???
少なくともビジネススキルシリーズは新卒1年目の人を対象にしているため、学ぶ優先度としてはロジカルな思考・数学的な思考 ⇨ アートの思考だと考えています。私自身も最近は「脳の右側で描け」のワークショップなどを実践して、右脳の思考がアイデアや想像に非常に有用であることは感じてはいるのですが、ビジネススキルシリーズは徹底的に左脳的な部分に拘って話をしたいと思います。アートスクールに通うのはまず最低限のロジカルシンキングやフレームワークができるようになってからでもいいと思っています。

Example – 本質に迫るための2つの思考方法 –

なぜを使いこなすフレームワークとして2つの方法を解説したいと思います。

エコ・ティンバーゲンの4つのなぜ

エコ・ティンバーゲンは「行動生物学者」で、動物の行動について深く研究をした人です。エコ・ティンバーゲンは動物の行動を理解する上では、4種類の視点からの「なぜ」に完全に答えることが重要であると考えました。この4種類の視点がビジネスでも物事を理解する上で本質を追求する良い手段になります。

(1)至近要因

「その行動が引き起こされている直接の要因は何か?」

1つ目のなぜは、なぜその行動が起こったのかに対してメカニズムを問う質問です。

例えば「リスティング広告」について本質を追求したいと考えたとき、「リスティング広告がユーザーの画面に表示される仕組みはどうなっているのか?」を考えることを指します。(広告主が、キーワードを指定しておくと、そのキーワードで検索したユーザーの画面に広告を表示する)

(2)究極要因

「その行動はどんな機能があるから進化したのか?」

2つ目のなぜは「その行動自体がどのような機能」を持っていたのか?という問いです。リスティング広告で言えば、「リスティング広告の仕組みによって結局どういうサービス・価値が広告主やユーザーに提供されているのか?」を考えることを指します。(リスティング広告は、ユーザーの検索キーワードとマッチした広告を表示することで、ユーザーにとっては欲しい情報が目に入りやすく、広告主からするとニーズの顕在化しているその瞬間に広告を見せることができた)

(3)系統進化要因

「その行動は、その動物の進化の過程で、その祖先型からどのような道筋をたどって出現してきたのか。」

3つ目のなぜは「その行動が進化の過程の中で、どうやって自然淘汰を生き残ったり、群の中で受け継がれてきたのか」という問いです。リスティング広告で言えば「リスティング広告の誕生の歴史と誕生から現在に至るまでのどうやって拡大してきたのか」に答えることになります。「こちらについてはインターネット広告の歴史を学ぶことになります。例えば、「ネット広告の歴史~「ダイナミックリターゲティング」誕生まで」などをご参照ください)

(4)発達要因

「その行動は動物の個体の一生の中で、どのような発達をたどって完成されるのか?」

4つ目のなぜは1個体の中でも発達の中でその行動が現れるのは、いつ頃からか、どういう過程を経てそこに至るのか?という問いです。リスティング広告で言えば、Googleという会社が誕生してからどういう経緯を経て、リスティング広告ができたのか?という問いに答えることになります。(こちらはGoogleの会社の歴史を調べると面白いと思います。例えば「グーグル ネット覇者の真実」などをご参照ください)

以上長くなりましたが、これら4つの問いを考えていくことで例で出した「リスティング広告の本質」がよくわかるようになるのではないでしょうか。

なぜなぜ思考

なぜなぜ思考というのは、問題の根本原因を発見し、解決するための思考法です。方法としては1回の「なぜ」で終わらず、なぜという問いに大して出てきた答えに対してさらに、なぜを問いかける、というものです。

このなぜを深堀りしていく考え方の肝はシステム思考の「氷山」の考え方を知ると理解がしやすいです。

Iceberg-Model.png
システム思考 氷山モデル

a systems thinking model:
the iceberg

https://ecochallenge.org/iceberg-model/

氷山モデルが言っていることは、(1)発生したイベントには、(2)その原因となった行動パターン・思考パターンがある。その行動・思考パターンには(3)自分の環境や習慣が影響している。さらに(4)今の現状を維持しているメンタル的な部分というふうに問題の深さについてです。

この構造を理解すれば、なぜを3回繰り返せば、最も根本のメンタルモデルにまで遡って問題の本質を捉えることができます。

Re-Point – まとめ –

最後に今回の記事の内容をまとめます。

Re-Point

本質を追求するための2つのフレームワーク
・エコ・ティンバーゲンの4つのなぜ
・システム思考の氷山モデル「なぜを繰り返す」

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