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仕事をスタートするときに「まず段取り」をする理由と方法

Point – 最初の段取りで仕事の8割が決まる –

この「ビジネススキル」シリーズでは多くの人にとって役にたつ基本のビジネススキルについて解説をしていきたいと思います。#7は「スタートで段取りをする」というテーマです。

何か仕事に取り掛かる際は、まず「段取りをつける」

新しく仕事に取り組む際は、その仕事が15分以内で終わる作業的な「タスク」なのか、いくつかのタスクや思考する時間が必要な「ジョブ」レベルの仕事なのか、他人が関わり、ステークホルダーも複雑な「プロジェクト」レベルの仕事をまず分けます。(詳しくはToDo管理GTDメソッドで解説予定)

もし今回の仕事がタスクレベルのものであれば、ToDoリストに入れておけばOKですが、「ジョブ」レベル、あるいはより大きな「プロジェクト」レベルの仕事なのであれば、いきなり作業に入らずにまずは「段取り」をつけることが最初にすべきことになります。

段取りをつけるとは

「段取りをつける」ということは具体的には次の3つのことを指します。

  • 段取り = 手順(タスクへの分解) + スケジュール + ToDo を整理する
  • 担当領域と責任者を明らかにする
  • 上記の段取りを関係者で共有する

Point

複雑な仕事に取り組む際は最初に段取りをする

—段取りの中身—
・タスクへの分解
・スケジュールの設定
・ToDoの管理

—「段取り」をする—
・段取りの作成
・担当領域と責任者の設定
・上記を関係者で共有

Reason – なぜ段取りが重要か –

仕事を開始する上で「段取りをつける」理由は2つあります。

「期待値を超えるため」と「生産性を高めるため」です。

期待値を超えるため

#6 期待値を超える」で解説をしたように、仕事ではクライアントや上司など自分に対して仕事を依頼した人が期待する「何か」を100%以上超えるアプトプットを出すことが最も重要です。

期待値を超えるには、必要なアウトプットを期限内に出す必要がありますが、そのためには最初の段取りが重要になります。段取りをすることで「必要なアウトプットに対する共通認識」が形成できますし、「期限を守る」ためのスケジュールについて設計やToDoの担当の割り振りまで完成できるからです。

生産性を高めるため

段取りをつけることは、期待値を超える以外にも自分の働き方自体の改善にも大きく貢献します。

思考の整理ができる

段取りを最初にすることでスケジュールやToDoの整理ができているので、「抜け漏れ」を気にしたり、次やることを考えながら他の作業をする、ということがなくなります。

プロジェクトの計画表やToDoの一覧表に必要な情報は記録されているので、自分は目の前の1つ1つのタスクに全集中することができます。脳はマルチフォーカス(複数のことに意識を使うこと)すると効率が非常に落ちるので、フォーカスすべき内容を絞れることはとても重要です。

仕事の進捗状況が把握できる

スケジュールやToDo管理表がしっかりしていると、今の仕事の進捗を常に把握することができ、報告にかかるコストや、プロジェクトの軌道修正にかかるコストを減らすことができます。

上司やクライアントから現状の進捗を聞かれることがあるかと思いますが、プロジェクトの進捗が一目でわかるスケジュールがあれば、そのスケジュール(スプレッドシートなど)を共有しておくだけで報告は完了します。(仮に説明が必要だとしても準備が不要)

またプロジェクトがオントレかオフトレかも常にわかっているので、進捗に問題が発生した初期の段階で対策を考えたり、軌道修正の相談をしやすくなります。また相談時の資料も準備が不要となります。

「担当者不在」の時間をなくす

複数人が関わるプロジェクトでは「タスクのボール」の所在が曖昧になり、宙に浮いてしまっている(誰もその作業をしないまま時間が過ぎる)ことがあります。あらかじめ各自の担当領域や責任範囲を決めることでタスクのボールや意思決定(誰が仕事をチェックするかなど)のスピードを高めることができます。

Example – 段取りの方法論 –

プロジェクト管理シートを最初に作り、共有する

ここまで解説してきた「段取りをつける」を実践の場で行うためのワークフローとテンプレートを用意しました。

まず「段取りをつける」はリンクの「プロジェクト管理シート」を完成させれば自動的にできるようにしてあります。※プロジェクト管理シートはコピーしてご自由にお使いください

プロジェクト管理シートはこちら

プロジェクト管理シートの構成

ここからはプロジェクト管理シートを見ながら実際に段取りを作成していく作業をしていきます。また、今回は仕事が複数人でまたがるプロジェクトレベルのものを前提に解説します。

概要タブ

概要タブでまず、今回の仕事の目的やゴールを整理します。概要タブの中の構成は以下のようになっています。まずは以下の項目を全て埋めてみてください。

  • プロジェクト名:プロジェクトを関係者で共通した名前で呼ぶためのもの
  • 背景:このプロジェクトが生まれた経緯
  • プロジェクト目的:このプロジェクトは何のためにするのか
  • プロジェクトメンバー:誰がプロジェクトの成功のために必要か
  • 情報流通チャネル:どこで連絡をしたり、ファイルの共有をするか
  • POとの時間:プロジェクトの成否の判断をする人との時間を事前に抑えておく
  • 変えてはいけないもの:プロジェクトの軌道修正をする中で「ここが変わるなら、そもそもプロジェクトを仕切り直さないとダメ」なポイントはどこか
Webサイト制作プロジェクトの場合の概要タブ

担当責任範囲(チーム構成表)タブ

担当責任範囲では、誰がどの領域の実務を担当するのか、その進捗や最終のOKの判断は誰がするのかなどを整理します。

横軸:担当領域の一覧を記載

縦軸:チームメンバー一覧を記載

セル:責任レベルや担当レベルを記載(例では★を責任者、◯を実務担当などとしている。こちらはプロジェクトごとに記号を定義して表の作成をしてもらえるといいと思います。一人が複数の役割を担うときなど整理がしやすいと思います。)

Webサイト制作の際の担当責任範囲

ガントチャート(スケジュール)タブ

ガントチャートではプロジェクトのスケジュールを作成します。

最終的なゴールに至るまでのタスクを洗い出し、現状わかる範囲の精度でいいので、最終のゴールに至るまでを埋め切ります。

ガントチャートは毎週のmtgなどでプロジェクトマネージャーが責任を持って更新をします。(実際は各担当に入力をしてもらうようにプロジェクトマネージャーが責任を持つ)

ガントチャート

課題管理表(To Do管理)タブ

プロジェクトのタスクとスケジュールはガントチャートにまとまっていますが、それ以外で発生した課題などについて、課題管理表で整理し、解決をしていきます。

何かプロジェクトを進めていく上で課題を感じた人は、課題管理表に課題を記載します。そして他のメンバーなどと対応方針を決め期限とともに記載、担当者が責任を持って課題を解決します。

プロジェクトマネージャーは課題管理表に書かれている課題に対する対応が期限内に行われているか、あるいはそもそも課題管理表が機能しているか(口頭だけの確認が横行していないか?)などチェックする必要があります。

課題管理表

必要に応じて準備するもの

フローチャート

意思決定のルートが複雑な場合やプロジェクト特有の確認フローなどがある場合、必要に応じてタブを追加してください。

ステークホルダーの力学関係

クライアントの社内の人間関係などがプロジェクトの成否に大きく関わる場合やステークホルダーの数が多い時は、図に関係者を書き出して見える化しておくといいと思います。

プロジェクト関係者の裏マップ(引用:外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント kindle版)

その他のタブ

その他プロジェクトの必要に応じたタブを追加してください。

あまりにシートが巨大化すると使いづらい場合は、別シートを作成し、プロジェクト管理シートの「よく使うリンク集」タブなどから飛べるようにしておくと便利です。

Re-Point – まとめ –

最後にもう一度今回の内容のまとめです。

Point

複雑な仕事に取り組む際は最初に段取りをする

—段取りの中身—
・タスクへの分解
・スケジュールの設定
・ToDoの管理

—「段取り」をする—
・段取りの作成
・担当領域と責任者の設定
・上記を関係者で共有

★プロジェクト管理シートのテンプレート
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1mHrf4_WEdkqY7vHXTIiEorvQdGrYROIPTn90z39axBU/edit?usp=sharing

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